若返り効果が!NMNを生産する乳酸菌とは?

若返り⇗
この記事は約6分で読めます。

乳酸菌は成長作用や免疫力向上といった効果が期待できますが特効薬ではないですよね。

継続的に摂取し、健康的な腸内環境を保ち健康リスクの予防をする。というところが若返りにも繋がっていくと思います。

で、今回は若返り効果が期待されているNMNを生産する乳酸菌が発見された。という話題です。

体調や環境によって最適な乳酸菌は変わってくるようですが、私もヨーグルトやキムチは毎日食べるようにしています。

何よりもバランスの取れた食生活が基本。毎日の食生活に乳酸菌を取り入れて、健康な腸生活を目指すのも若返りの第一歩かもしれませんね!

若返り効果?NMNを生産する乳酸菌を発見

静岡大学学術院工学領域・吉田信行准教授の研究グループは、本学グリーン科学技術研究所、株式会社大阪ソーダとの共同研究で、若返り効果で注目されているニコチンアミドモノヌクレオチド(以下、NMN)を生産する乳酸菌を発見し、
Nature Publishing Groupの国際科学オンラインジャーナルScientific Reports(2021年4月7日)に発表しました。

NMNは、ワシントン大学の今井眞一郎教授らの研究において、生後2年のマウス(ヒト年齢で約60歳)に1週間投与すると、生後6ヶ月(ヒト年齢約20歳)の運動能力、外観を示すまで若返った、と一躍有名になった化合物です。

以来、NMNの若返り効果に関する研究が世界中で行われ、その抗老化メカニズムは科学的に証明されています。

現在、NMNは『ニュートラシューティカル』として注目され、含有するサプリメントがいくつか上市されています。
しかしながら、いずれもかなり高価なものとなっており、NMNの工業生産方法の効率化が望まれます。

そこで、吉田准教授らは、NMNの高効率な微生物生産プロセスの構築を目指し、NMMを生産する乳酸菌の探索を開始。
フルクトバシラス属の乳酸菌がNMNを菌体内外に生産することを発見しました。

この乳酸菌を用いたNMNの工業生産プロセスを構築するとともに、NMNを含有する乳酸菌そのものを製剤化することにより、乳酸菌の『プロビオティクス効果』も併せた新しいニュートラシューティカルとなることが期待できます。

ニュートラシューティカル
Nutrition(栄養)とPharmaceuticals(医薬品)から作られた言葉。人々の日々の健康維持に有用である科学的根拠をもつ食品・飲料を指す。

プロビオティクス効果
腸内細菌叢のバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物菌体(特に乳酸菌)。

NMNは若返りに効くの?

機能性食品素材として注目を集めるNMNは、Nicotinamide MonoNucleotide(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の略称。

NMNは、多種の脱水素酵素の補酵素として機能するニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の生合成中間代謝産物です。

NMNは母乳に含まれているほか、枝豆やブロッコリーなどの野菜にも多く含まれています。体内ではビタミンB3(ニコチンアミド)から生成されるが、加齢に伴い量が減っていきます。

NMNを摂取すると体内でNAD+に変換され、長寿遺伝子ともいわれる酵素サーチュインを活性化することが知られています。

マウスの実験では、高脂肪食負荷に伴う耐糖性異常の改善や老化に伴うミトコンドリアの機能低下の改善、虚血再かん流における梗塞巣の減少などが報告され、長期摂取では老化に伴う神経幹細胞の減少抑制などが認められているそうだ。

乳酸菌とは?

乳酸菌とは糖を分解して乳酸を作る細菌のことであり、腸内環境を整える善玉菌のひとつです。

腸内には1,000種類、100兆個もの細菌が存在しており、その中でも善玉菌には消化を助けて腸内環境を整える働きがあります。

その一方で、発ガン物質や有害な物質を発生させる悪玉菌という細菌も、腸内には共存しています。

善玉菌と悪玉菌が腸内でせめぎ合いバランスを保っていますが、悪玉菌が優勢になってしまうと健康リスクが高まります。

健康的な腸内環境のため、乳酸菌を効果的に摂取して善玉菌を増やしましょう。

乳酸菌に期待できる4つの効果

乳酸菌といえば、「お腹によさそう」「肌がきれいになりそう」といったイメージはありますが実際どんなものなのかわかりませんよね。

実は乳酸菌は腸の環境を整えることによって、免疫力を向上させたり、さまざまな不調予防の働きをしてくれるのです。

ここでは乳酸菌に期待できる代表的な4つの効果についてご紹介します。

①.整腸作用

乳酸菌に期待できる効果といえば、腸を整える効果です。

腸内環境が乱れ悪玉菌が活発になっていると、有害な菌や病原菌が増殖しやすくなりさまざまな健康リスクが発生します。

乳酸菌は乳酸を作り出して腸内を酸性にすることにより、腸からの栄養吸収を促します。また、悪玉菌の繁殖が抑えられて腸内環境を整えてくれます。

さらに、腸内環境が整うことによって腸の内容物を移動させる「ぜん動運動」が活発になり、便秘や下痢の改善が期待できます。

②.免疫力向上

人間の体は、体に悪影響を与えるウイルスから守る免疫という機能をもっています。そして免疫の働きをする免疫細胞のうち7割以上が腸内に集まっています。

乳酸菌は、小腸に存在する免疫細胞に働きかけ、免疫活性化のスイッチを押してくれます。これにより免疫力が活性化され、風邪予防やインフルエンザ予防にもつながるのです。

また、乳酸菌1073R-1は体内に侵入したウイルスや細菌を撃退するNK細胞を活性化させる働きをもち、風邪やインフルエンザの発症予防効果があります。

さらに、乳酸菌B240は目、鼻、口などの粘膜の免疫力やバリア力を上げる効果があるため、ウイルスや細菌の侵入を防ぎ、風邪予防の効果が期待できます。

③.内臓脂肪の低減

腸内環境が悪化していると代謝が落ちてしまうため、痩せにくい体になってしまいます。

乳酸菌を摂取して腸内環境を整え、基礎代謝を上げて脂肪を燃焼しやすい体を目指しましょう。

また、ガセリ菌SP株という乳酸菌を含むヨーグルトを12週間続けて摂取することによって、腹部の内臓脂肪が減少したと雪印メグミルク株式会社の実験により実証されています。

ただし、乳酸菌を摂取しただけで痩せるというわけではありませんので、注意が必要です。

乳酸菌と一緒に健康的な食生活と適度な運動を取り入れましょう。

④.美肌効果

食生活の乱れやストレスによる腸内環境の悪化は、肌荒れの原因になります。

便秘は腸内の悪玉菌が優勢の状態であり、腸内に腐敗物質が増加してしまいます。すると、細胞が傷つき老化を促進する活性酸素も増殖してしまいます。

これにより肌荒れにつながってしまうのです。

乳酸菌を摂取すれば善玉菌が優勢になり、腸内環境が整い便通改善が期待できます。そして活性酸素を撃退して肌の細胞を守り、肌を整えてくれるのです。

また、ツヤのある肌に欠かせないビタミンCは乳酸菌のエサにもなります。

このように、肌の調子を整えたい場合は、ビタミンCを摂り、乳酸菌を増やして腸内環境を整えることからはじめてみましょう。

1日100億個程度の摂取が必要

1日100億個と言われてもピンときませんが、ある程度の目安はあるようです。

乳酸菌は栄養素ではないため、日本人の食事摂取基準で必要量は定められていません。

ただ、乳酸菌による健康効果を得るための摂取量はある程度の目安があり、国立健康・栄養研究所の見解によると、およそ1日100億個程度の摂取が必要とのことでした。

また同報告によれば、1日ではなく毎日継続して摂ることが重要と強調されているようです。

乳酸菌で若返りとは、将来が楽しみですね。

<参考>
若返り効果が期待されているNMNを生産する乳酸菌を発見
最近よく聞くNMN、若返りに効くって本当?
乳酸菌の効果は?効果をパワーアップさせる摂取方法もご紹介!