ドメスティック・バイオレンス〜メンタルヘルス用語集〜

 

ドメスティック・バイオレンス

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  【メンタルヘルス用語集】-ドメスティック・バイオレンス

ドメスティック・バイオレンス

夫やパートナー等の親密な関係にある(あった)男性から女性に対してふるう暴力・虐待をドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence)といいます。現在の夫や恋人だけでなく、前夫や元恋人、婚約者、また内縁関係にある男性などからの暴力を指しています。

長い間、家庭の中などの私生活で起こる暴力・虐待は、「見えない」問題であり、家庭は「愛情とやすらぎに満ちた安全な場所」だから暴力がおこるはずはないと、社会全体が考えてきました。

家庭内のことはプライバシーで、他人や第三者が口出しをすることはできません。したがって、家庭の問題を外に持ち出すことは「家庭の恥である」などとみなされてきました。そのために、現実に起こっている暴力や虐待は(以下参照)隠されてきた感があります。
 ・身体的暴力・・・殴る、蹴る、引きずりまわす、物を投げつける。
 ・心理的暴力・・・大声で怒鳴る、罵る、脅す。
 ・性的暴力・・・・・性行為を強要する、避妊に協力しない。
 ・経済的暴力・・・生活費を渡さない、働きに行かせない。
 ・社会的暴力・・・女性の行動の制限、友人に会わせない。

政府の調査によると20人に1人の女性が生命に危険を感じる程の暴力を受けていたことが報告されています。暴力というのは本質的に理不尽なものであり、「安心」「自信」「自由」という人間らしく生きる権利を奪うものでもあります。

これは家庭内の個人的夫婦の痴話喧嘩という次元をはるかに越えた社会構造の中にあり、またジェンダー(社会的、文化的性差。いわゆる男らしさ、女らしさ)による不平等と関係するような価値観、伝統、習慣などが複雑に絡み合っていると考えられます。

たとえ夫婦であっても個々とした個人の人格があり、妻は夫の所有物ではないのです。
何よりも辛い事は身体に受けた傷やアザはもちろんですが、目に見えない「心に受けた傷」が被害者女性にとって一番辛いことであり、心のケアには長い時間を要します。
心理的暴力もまた身体的な暴力とほぼ同等であると考えられるのです。

 
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