加齢とともに機能低下〜神経について〜

 

加齢とともに機能低下

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  【神経について】-加齢とともに機能低下

その人の健康状態による個人差は非常に大きいものですが、通常は加齢と共に、脳の神経細胞の数は減少していきます。神経細胞の数が減るにつれ、残っている神経細胞の間では新しい結合がつくられますが、これらの結合は、失われた神経細胞の能力を補うのに役立っています。

また、脳は正常に機能するのに必要な数以上の細胞をもっており、この特性を余剰性(リダンダンシー)と呼んでいます。余剰性は、加齢と病気によって起こる神経細胞の損失を補うのに役立ち、脳のいくつかの領域では、老年期においても新しい神経細胞がつくられる。といわれています。

また、加齢と共に脳への血流も減少していきます。血流の減少は、脳への動脈がアテローム動脈硬化に侵された人(脳血管障害)で大きくなり、これは喫煙、高コレステロール、糖尿病、高血圧などに関連しています。これらの病状による血流の減少は、脳の神経細胞が早い時期に失われてしまう原因にもなってしまいます。それにしたがって脳の機能も早期に低下していくわけです。


<脊髄>
加齢と共に、脊椎の骨が過剰に増殖して、脊髄を圧迫することがあります。
その結果、脊髄にある軸索の数が減り感覚機能も低下していきます。


<末梢神経>
加齢と共に、末梢神経が信号を伝える速度も落ちていきます。普通、この影響は小さいため、機能的には目立った変化は起こりません。さらに、末梢神経系の損傷の修復反応も低下します。若い人では、末梢神経の軸索が損傷を受けると、細胞体に損傷がない限り、神経は自分で傷を治してしまいます。
この自己修復は、高齢者では若い人よりも速度が遅く、修復力も完全ではありません。
高齢者が病気やケガが治りにくいのは、このためです。

 
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