無意識とは〜こころの心理学〜

 

無意識とは

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  【こころの病気】-無意識とは

人間の心に無意識があることを発見した精神分析学の創始者でもあるフロイトは人間の意識に隠された「無意識」をどのように捉えたのでしょうか。

フロイトは人間の意識は、「意識」「前意識」「無意識」の三層からなっていると考えました。
意識は文字通り自分自身の意志で考えたり行動したりする部分です。前意識とは、単に忘れてしまっている部分で、簡単に意識化できる部分です。

一方の無意識は、日常生活の中では言い間違いや聞き間違いなどの失錯行為や、夢になって現れるとしています。とくに失錯行為は、自分の欲求や希望を妨害されたり、無意識的に抑圧してしまうことによる、妥協の産物と考えられています。また、無意識的な願望などを夢に見るのは、睡眠中は自我の意識が弱まり、抑圧されている考えや願望が浮かび上がりやすくなるからだと唱えています。


<ユングの誰でも無意識の仮面をつけている>
ユングが見出した普遍的無意識の基礎となる元型(以下を参照)が、どんなふうに人間の行動に現れてくるのでしょうか。
まず、「ペルソナ」です。これは、人聞が外の社会に適応するためにつける仮面のようなもの。私たちは社会の中で一定の役割を演じながら生きています。例えば、医者は医者らしい威厳をもった態度で接することや、冷静な観察力、患者への優しさなどを要求されます。
これは職業だけでなく、社長などの社会的地位によっても現れます。つまり、本人の性格とは関係なく、無意識に要求される姿を装ってふるまうようになるというものです。 また、人間には性格の表には出てこない「個人的な影」と、犯罪を犯してしまうような人間の悪の部分である「普遍的な影」があるとしています。
例えば、善良で穏やかで誠実な人柄だが、その反面では邪悪で攻撃的な性格傾向を持っていることがあります。
このような意識に反する人格を影(シャドー)と呼びます。「アニマ」「アニムス」は、心の中に存在する異性イメージのことです。男性の中にある女性像をアニマ、女性の中にある男性像をアニムスと呼びます。
人は恋をすると、無意識のうちにその相手に自分が持っている理想のアニマやアニムスを投影させるものです。このように、ユングの考えた普遍的無意識は、私たちの日常に垣間見ることができるのです。


ユングの無意識説はフ口イトとどうが違うか?
ユングは、心の構造を意識と無意識に区別し、無意識を重要と考える点ではフロイトと一致しています。しかし、ユングはこの無意識の性格についてフロイトとはかなり異なった見方をしているようです。
フロイトが無意識を個人的なものと考えたのに対して、ユングは無意識には「個人的無意識」と「普遍的無意識」の2種類があると想定しました。
特に、この普遍的無意識がユングの心理学の本質であり、個人の経験から獲得された無意識だげでなく、人類に共通する無意識の世界を探求することがユング心理学の大きな特徴となっています。
ユングのいう個人的無意識には、個人の経験から生じたもので、忘れてしまった記憶や、抑圧されている意識、衝動、願望などが含まれています。
一方の普遍的無意識とは、個人的に獲得されたものではなく、祖先から遺伝的に受け継いだ、全人類に共通の記憶やイメージが眠っている場所だと考えました。文化や生活環境が異なる世界各地の神話や、夢の話などに似通った話があることこそが、人類に脈々と受け継がれる共通の記憶があることの証拠であるとし、ユングはその基本的な型を「元型」と呼びました。

 
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