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音楽には心を癒す働きがあります。音楽心理学とは、科学的に証明されているわけではありませんが、
音楽は心の健康に効果があるといわれています。
旧約聖書にはサウル王がダピデのハープによって、またスペインの王がファリネリの歌声を聴いてうつ病が治ったという話が書かれているそうです。
音楽心理学は、ベルリン大学のシュトゥンプの音の研究に始まり、第1次大戦後、アイオワ大学のシーショアが音楽才能の心理学的研究によってシーショア・テスト(音楽才能検査)を考案し、古典的名著といわれる「音楽心理学」を著したのです。
第2次大戦後は、音楽の機能性の研究とその応用が急速に進み、単調作業や騒音、不安などのストレス環境を和らげ、生活しやすい能率的な状況を作るために環境音楽が生まれました。
さらに、それを精神病などの療法に使うBGM療法、即興演奏などによる抑圧感情の解放、合奏による集団療法、音楽的心理劇、遊戯療法などの音楽療法が登場しています。
<音楽療法の方法と効果は?>
音楽療法とは、治療者が音楽を手段として患者の自由な自己表現を促し、行動の変化を引き起こそうとするものです。
その方法には2種類あり、
・受動的に聴くだけの音楽鑑賞。
・歌唱・コーラス・器楽演奏・作曲などに能動的に関わる方法。
とに分かれます。
音楽鑑賞の療法には「同質の原理」といって興奮を鎮めるには興奮的な音楽を用いる場合と、患者の精神状態とは反対の音楽を用いる場合とがあります。
失恋したり、仕事のミスで落ち込んでいるときには、テンポのいい曲を聴くより、そのときの気分にマッチした曲を聴いた方がいい場合もあります。悲しみを共感すること、つまり向調により気持ちが浄化されるからです。
これは、悲しい映画 を見ながら思いつきり泣くと、気持ちがさっぱりするのと同じ心理です。音楽療法の対象となるのは、子供では精神発育遅滞、自閉症、学習障害など、大人では躁うつ病、神経症、心身症、アルコール依存症などです。ただし、病状の重い場合や自我の弱い患者に対してはあまり効果がみられない場合もあります。
最近は、高齢者に対する痴呆症、ホスピスにおける音楽効果も注目されています。さらに、ビジネスマンを対象にしたりラクゼーションなども音楽療法のひとつといえます。
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