情報過多が与える影響〜こころの心理学〜

 

情報過多が与える影響

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  【こころの病気】-情報過多が与える影響

現代は、情報過多の時代です。町を歩けば、道路標識や信号機、案内標識があり、建物の壁には広告やポスターが張られ、ショーウインドーやディスプレイが目に飛び込んできます。

情報化時代が人間に与える影響、過剰負荷環境に人間はどう反応していくのか。

目に見えるものばかりでなく、音や臭いなどの情報も含めれば、私たちはあらゆる情報に囲まれて生きているともいえます。これらの情報をすべて処理しようとしたら、私たちは1日のエネルギーの大半をそれに費やさなければならないでしょう。でも、そのようなことをしていたら、仕事や家庭、趣味などの時間がとれなくなってしまうのは明らかです。
このように情報が多すぎて処理しきれないような状況を、心理学では「過剰負荷環境」と呼んでいます。
特に都市は異常といえるほどの過剰負荷環境です。こうした過剰負荷環境に対応するには、どうしたらよいのでしょうか。
家から一歩も外に出なければ、完全に情報をシャットアウトすることはできます。しかし、これでは健全な社会生活を送ることはできません。そこで私たちは、現実の生活から退避することによって、その過剰負荷環境に順応しようとしているのだと思われます。


<退避症候群の特徴とは>
アメリカの社会心理学者ミルグラムは、過剰負荷に順応しようとする退避症候群の人々の反応には、
次のような特徴があると述べています。

それぞれの情報をできるだけ短時間で処理する。
 たとえば、他人に道を尋ねられでも、必要最低限の情報だけを伝えて、
 相手との接触をできるだげ避けるようにします。

重要ではない情報は無視する。
 たとえば、同じエレベーターに乗り合わせた他人には、注意を払わずに無視したりする行動です。

責任を他人に押しつける。
 道端に人が倒れていても自分が助けてやる責任はない、
 人にぶつかったときには相手がぼんやりしていたせいだと責任を回避します。

他人との個人的な接触はできるだけ少なくする。
 たとえば、電話番号を教えない、飲み会に参加しない、
 自分から誰かに連絡をとるようなことをしないなどです。

よく、都会人は冷たいなどといわれます。しかし、隣近所とのつき合いが形式的で希薄になっているのは、できるだけ他人との関わりを持たないことによって、過剰負荷環境に適応しようとしている。というふうにも考えられるのです。 これは、なるほどと思いませんか。

 
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