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その時代や社会的背景による心理的要因が引き金となる場合が多い症候群。そして、時代が移ると新しい症候群が生まれるという傾向が見られます。 |
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出勤困難症
何らかの原因により会社に行こうとしても行けなってしまう。以前は出勤拒否症と呼ばれていましたが、登校拒否が不登校と呼ばれるようになったのと同じく、本人が会社に行きたくても行けないという状態であるため、出勤困難症(出勤不能症・出社不能症)と呼ばれるようになってきました。
出勤困難症に共通する精神症状として、意欲低下、集中困難、不安緊張感、ときにパニック障害を伴うこともあります。身体症状としては、動悸、呼吸困難、過敏性腸症候群などです。通勤途中にこれらの症状が現れ出勤できなくなることも多いようです。
自分の能力以上の仕事を一人で抱え込んだり、自分の評価を気にしすぎたり、今の仕事が合わなかったり、その原因は様々です。主な原因を以下にあげてみました。
仕事にストレスがある
まず仕事上のストレスが考えられます。自分の能力以上の仕事を一人で抱え込み、全てを完璧に仕上げようとして多くのストレスをも同時に抱え込む、職場での自分の評価を必要以上に気にする、転勤などにより希望とは異なる職種に配属される、といったことにより出勤困難になるケースが多々あります。また、仕事上の人間関係、上司と部下の板ばさみなど対人関係も大きな原因となります。 |
挫折体験がある
有名大学出身者やバリバリ仕事をこなしている人が突然出勤困難になるということもあります。
有能で活発な人の中には、一人で仕事を抱え、完璧にこなさないと気がすまない人が多いものです。そのような人にとっては、ささいなミスも重大なミスに感じられ、一気に仕事に対する自信を喪失してしまうことにもなりかねません。また、職場での人間関係のもつれから人間関係に対する挫折を経験する人もいます。 |
職場に恐怖がある
出勤困難症の方の中には、職場に対して恐怖感を持っている方もいます。例えば、上記の挫折経験からくる仕事そのものへの恐怖、対人関係に対する恐怖、あるいは通勤に利用する電車やバスに対する乗り物恐怖、エレベーターなどの閉所恐怖などさまざまな恐怖があります。また、最近では職場のIT化により、特に中高年者にパソコンに対する恐怖も出てきています。 |
抑うつ症状による出勤困難
出勤困難には、抑うつ症状が伴う場合が多くあります。上記にあげたような職場のストレスが原因となって、また、仕事とは直接関係のないこと、家族や友人、恋人関係が原因となって生じる抑うつ状態も考えられます。 |
<出勤困難症にならないために>
まず、自分の感じているストレスについて早い段階で気付くことです。
最近イライラすることが多くなった、忙しくて趣味を楽しむ暇が無い、仕事の効率が悪くなったりミスが増えたといった初期のシグナルを見逃さないことです。
本人へのサポートとしては、
・ゆっくり休ませる
追いつめてしまうので叱咤激励は厳禁。リラックスできるよう配慮。
・不安を克服する手助けをする
電車に乗れない等の不安を抱えているようなら、一緒に付き添うように。
・悩みを理解する
悩みや苦しみを聞き、理解してあげる。ただし、かまいすぎるのは禁物で、つかず・はなれずの関係を。
・周囲の協力
職場環境が原因なのが多いので、病気のことを理解してもらい、周囲の協力を受けるように。
時には、ストレスに耐えて仕事を続けなくてはならないこともありますが、常にストレスにさらされている状態が続くと、必ず心身に歪みが生じてきます。休日は仕事のことを忘れ、趣味によってストレスを解消したり、のんびり過ごしたりしましょう。入浴や睡眠、食事といった毎日行うこともストレス解消につながります。
また、仕事においては完璧を求めすぎず、全てを自分一人で抱え込まないようにすることが大切です。
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