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まだままだ「心の病気」は正しい理解を得られていないのが現状かと思います。誤った偏見を持ったり、「病気ではなく単なる気持ちの持ちようだ!」というようなことで解決しようとする人も少なくありません。
新たな心の病気が増えつつある「心の時代」だからこそ、心の病気に対し多くの人々が正しい理解を持ち適切に対応することが必要不可欠なことだと思います。 |
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うつ病(単極性気分障害)
単に「うつ病」といっても原因や症状はさまざま。「落ち込み」「憂うつ」といった感情低下に苦しみ、
睡眠障害、食欲不振、集中力の低下などの精神・身体症状が現れてきます。
概要
病相パターンに躁状態が見られず、うつ状態だけが出るのが単極型うつ病です。健康な心の状態でも、何かショックなことが起きると、落ち込み、悲嘆、自信喪失といった、憂うつな気分が優勢になるものです。
しかし時間の経過や楽しい出来事などがきっかけに元気な心に戻っていきます。
ところがうつ病になると、心理的な原因の有無にかかわらず、落ち込み、憂うつ、何をするのもおっくう、イライラといった、気分や感情の低下が続きます。人によっては一度治癒しても、また発症することもあります。躁うつ病のうちで、このタイプが実に7割以上を占めているといわれています。
また、うつ病にはかかりゃすいタイプがあるといわれ、生真面目、几帳面、バカ正直、仕事人間、優等生、などの性格傾向をもつ人に多く、以下の3タイプに分かれます。
1.内因性うつ病
何らかのきっかけが誘因となり、はっきりとした原因がわからないまま発症。
2.心因性、または反応性うつ病
心理的な原因によって起とるうつ病。抑うつ神経症ともいう。
3.身体因性うつ病
身体の病気が基礎にあり、二次的に発症。
※動脈硬化症など脳に器質的な障害があり起こるものを「器質性うつ病」。
※肝臓病、腎臓病、感染症などがきっかけになって発症するものを「症候性うつ病」。
※薬の副作用で現れるものを「医原性うつ病」。
どんな症状
個人差はありますが、うつ病の症状は、見た目にはありふれた症状なので多くの人は身体の不調が原因だと思い、内科や婦人科を受診し、いつまでも治らないことから、最後の最後にメンタル的な専門医を受診する傾向があります。
うつ病になると、次のような症状のいくつかが同時に現れます。
-気分や感情の低下-
悲しい出来事があったわけでもないのに、何だか優うつなって、徐々に気分が沈んでいきます。
ほとんどは、中〜長期にわたる睡眠障害の後に、憂うつで重苦しい気分と、不安感や焦燥感が現れます。自分が価値のない人間のように思えたり、過去を悔いたり、将来を悲観的に考えたりといった症状が続きます。
突然理由もなく涙が止まらなくなったり、自分が劣等感の固まりのように感じることもあります。そのため、外出や人との接触を避け人と話すのもつらく苦しいような感じがします。
これらの気分の浮き沈みは日内変動といって、一日のうちでは、朝のほうがうつ状態は強く現れ、時間とともに少しずつ軽くなり、夕方には軽くなるパターンが多いようです。
-意欲がなくなる-
「何もしたくない」というような意欲の低下によって、家事ができなくなったり、職場にいっても仕事ができず、ひどい時には出勤さえもままならなくなったりします。症状が進むと歯磨きや洗顔、着替えといった日常最低限の身支度さえできなくなるので、生活にも支障が出てきます。
-考えがまとまらない-
なかなかまとまって考えることができずに、考えることの全てが自分を責めるほうに向いてしまう。考えれば考え込むほど自分の能力や自分が悪いせいだというふうに自分を
責めるようになり、しまいには自殺して自分自身をこの世から抹殺してしまいたくなったりもします。
自殺で亡くなる人は、交通事故よりもはるかに多く、そのほとんどはうつ疾患といわれています。特に発病したての頃と、治りかけの頃には、こういった行動に出やすいので、周囲の人は慎重に、適切に対応する必要があるかと思います。
-物忘れが多くなる-
目的の場所を通り過ぎたり、待ち合わせ時間を忘れる、電車やパスを乗り過ごすなど、ちょっとした度忘れが目立つようになります。
-睡眠・食欲の障害-
仕事も家事も何をするのもおっくうになる。朝起きられない、おなかが空いているような気がするのに食事をとる気が起きない、家事をする気も起きない、眠りたいのに眠れないなどの症状が現れます。
うつ病による睡眠障害は、夜中や明け方に目が覚めて、そのまま朝まで寝られない、というタイプが多いようです。
-身体の症状-
精神的な症状のほかに、身体的な症状も見逃せません。のどが渇く、便秘、肩がこる、背中が痛い、頭が重い、頭痛がする、手足が震えたり、動悸や息切れ。その他、性欲の低下、食欲不振。
女性の場合は、立ちくらみ、生理不順、無月経、身体の冷感などを訴えることもあります。
特に大切な症状は不眠で「眠れない」「眠りが浅い」「すっきり目がさめない」などの異常が起きます。
<うつ病になりやすいタイプ>
メランコリー親和性タイプ
几帳面で秩序を重んじるため物事を柔軟に処理することが苦手。「自分よりも他人のため」という傾向が強く、外面はよいのです が、内面的には罪の意識が強く、関係のないことまで「自分の責任」と罪をかぶる傾向もあります。 |
執着気質タイプ
生真面目で責任感、正義感が強く、何事も徹底的にやらなければ気がすみません。
仕事、家事、学業も熱心で、手抜きやごまかしができない「優等生」と呼ばれるタイプです。 |
循環気質タイプ
社交的でつきあいがよく、情にもろく、陽気で明るくユーモアに富んでいるため、人から好かれます。その反面、情動的で熱しやすく、気分に浮き沈みがあります。 |
※これらの性格のみによってうつ病が起こるわけではなく、
これ以外のタイプの人がうつ病にかからないといことではありません。
対策は
早期治癒のためには、早く適切な治療を受けることが肝要です。精神的な症状がそれほど目立たず、
頭痛、頭重感、肩こり、動悸、息切れなどの身体症状を訴えて病院を転々とされる方も多いようです。
治療を受けていても訴えがなかなか改善されない場合や、精神・身体的症状を自覚し、その症状 が1週間以上続くようなら、必ず専門医に相談することをお勧めします。
自宅でうつ病を改善する場合は金本博明先生の自宅でうつ病を克服する方法がオススメです。うつ病の症状に悩んでいる、、、という方には最適です。
ポイントは
うつ病全般に言えることですが、まず一番に配慮しなければいけないことは「自殺の防止」です。
特に治りかけの方に自殺が多いのも、うつ病の特徴の一つです。気分の面では、まだうつ状態が残っているのに、意欲(行動)の面だけが回復したため、自殺に走るケースはよくあります。
治りかけが肝心ですから、少し良くなったからといっても慎重な配慮が必要です。
落ち込んでいるからと、お酒に誘ったり旅行などに連れて行くのも逆効果です。楽しそうなカップルや家族連れなどを見ては「自分はどうして病気なのだろう」などと考えてしまい、うつ状態が悪化する場合もあります。
また、うつ病の人に向かって「がんばって!」「そんな落ち込まなくてもいいよ!」などという叱陀激励は禁物。本人は、がんばりたくてもがんばれずに悩んでいるのですから、逆に追い詰めることになります。ですから、じっくりと話を聞いてあげることが大切かと思います。
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