破瓜型
思春期に発病することが多く、初期は幻覚、妄想などの体験は少なく、喜怒哀楽に乏しく物事に対する意欲や関心がなくなる、周囲の状況にも無関心になる、といった症状が現れます。
例えば「学校に行きたがらない」「入浴したがらなくなった」など、日常的にしていたことをしなくなります。周囲には「元気がない」「疲れているようだ」と映ることが多く、病気の発見に結びつきにくいため知らない間に進行してしまいます。
急に妄想が現れたり興奮したり、会話にまとまりがなくなるなどの症状が出てはじめて気がつくことが多いようです。 |
緊張型
特別に興奮する理由もないのに、突然興奮したり、落ち着きなく動き回ったり、大声を出したり、しゃべり続けたりします。その一方で動きが鈍くなることもあります。他人の勧めや言葉を拒絶する態度をとることもあり、食事や着替え、入浴を勧めても頑として言うことをききません。
また、奇妙な姿勢をとる
・一定のポーズを とり続ける。
・同じ動作をくり返す。
・他人の言葉や動作を真似る。
などの異常も現れます。一日中横になっていることもあり、声をかけても反応しません。
一見意識がないように見えることもありますが記憶はハッキリしています。 |
妄想型
破瓜型や緊張型に比べると、比較的、発病時期が遅い傾向があり、30歳〜中年以降の発病が多いといわれます。文字通り、妄想・幻覚が症状の中心で、妄想や幻覚に関連しないことでは相手に合わせた会話ができます。
初期は「なんとなく周囲の人が自分を嫌っているようだ」「自分の噂をしている」とい った被害妄想から始まります。近くにいる人の動作や小声など、ちょっとした出来事を被害妄想に結びつけて考え、周囲の人に苦情をいうこともあります。
軽症のときは、ただ「変わった人」と見過ごされることもありますが「盗聴器が仕掛けられている」とベランダの置物を壊す。などの行動があった時に、はじめて病気が発見されることが多いのです。 |
残遺型
統合失調症の治療を続け、回復してきた患者さんに多く見られるタイプです。幻覚や妄想はほとんど消えていますが、喜怒哀楽が乏しい、表情がない、会話の内容が乏しい、気力がない、周囲の出来事に関心を示さないなどの症状が主です。 |