|
|
現代のストレスは複雑で対処しにくくなっているといえます。はるか昔は、人間に加わるストレスといえば、暑さ、寒さ、空腹、動物に襲われる危険など、とてもシンプルなものでした。それだけに、ストレスへの対処法もシンプルだったと思います。
ところが、時代と共に社会はどんどん複雑化し、それに伴ってストレスの種類は増える一方。現代では、それこそ多数のストレスが、複雑にからみ合って襲ってくるために、対処するのも容易ではありません。
ストレスが続くと、心身ともに疲れやがて心まで病んでくるのです。
ただ、ストレスは心身に悪影響を及ぼすばかりの「悪者」かというと、決してそうではありません。
疲労を感じることがなかったら、私たちは身を休めることもせず、限界が来るまで体を酷使することでしょう。つまりストレスは、わたしたちの生存に欠くととのできないものなのです。
また、「ストレスは人生のスパイスである」と、セリエ博士が述べているように、ストレスは人がより良い人生を送るための刺激剤でもあります。
例えば、スポーツで試合をするというのは、ある意昧でストレスになります。でも試合をやるという目標があるからこそ、皆さん真剣に取り組み、もっとうまくなろうと努力や思考を重ねます。それによって技術も高まり、ステップアップしていくことができるわけです。つまりストレスがなかったら、人間の進歩も、社会の発展もありえないのです。
ただし、生きている限り、ストレスはあって当然なのですが、それにも限度というものがあります。
外部から加わるストレスが、その人の耐えられる限度を超えてしまうと、やがて、心や体に異常が起こってくるのです。
<受け取り方で違うストレス刺激>
同じストレス刺激を受けても、病気になる人とならない人がいます。ストレスによって引き起こされるストレス状態には個人差があるのです。
なぜ、人によってこのような個人差が生まれるのか。それは、その人の性格や体質、生まれ育った環境や経験、さらにそこから育まれた人生観や価値観などによって、ストレスの受け取り方が違ってくるためです。
つまり、ストレス状態は「外部から加わるストレス刺激」と「ストレスの受け取り方」という二つの要素によって決まるということです。ですから、ストレス病を予防するには、外部からのストレスだけでなく、自分の内面にも目を向けることが必要になってきます。
|
|
|
|
|
|
|